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メッセージ

Vol.1:『嫌なこと』が我慢できなかった会社員時代。

どうしてリアライズを立ち上げることになったのか。リアライズで働く社員たちに、どのような思いで過ごして欲しいのか。それを紐解くために、まずは代表が会社員だった頃の話を聞いた。キーワードは「嫌なことをなくしたい」。稚拙に思われるかもしれないが、ひとつの理想でもある。ここで語られる「嫌なこと」は、「リアライズに存在しないこと」と読み替えることもできるだろう。

ー ありきたりですが、リアライズを設立した経緯から聞かせてください。

一番大きい理由は、僕が会社員時代に感じていた『嫌なこと』を排除したかったんです。窮屈だなとか、無駄だなとか、正しくないなと思うことがたくさんりました。顧客対応の方針とか、評価制度とか飲み会とか……イメージできるネガティブな会社っぽいことのほとんどが嫌だったんです。

ー嫌だったことを一個ずつ聞いていくんですが、まずは顧客対応について。

自分のお客さんに対して、誠実な対応ができなかったの嫌でした。当時はリアライズと同じ業態、Webの制作会社でディレクターとして働いていたんですが、見積もりひとつにしても、社長の気分で「金額を増せ」と言われたり。同じ作業工数なのに、正当な理由もなく金額が違うというのが、自分には納得できなくて。

ー従わないと評価されないとか、昇給・昇格にも影響するじゃないですか。

いや、そこは自分で勝手に断ってました。「こんな金額だったら、見積もりをお客さんに出せません」って。じゃあ評価に影響したかというと、そもそも評価というのが機能していなかったんです。

ー機能していないというのは、制度がなかったわけではなく?

評価制度はありましたよ、名ばかりですけど。会社にありがちな、評価のための振り返りシートみたいなのはあって、面倒なのに書かされるんです。一生懸命に項目を埋めるんですが、評価に使われることはないという……。

当時でいうと、新規案件を受注する営業は僕ひとりで、それ以外は既存の取引き先からの保守・運用で成り立っていた会社でした。前年よりも売上が高くなるための動きは、僕だけしかしていなくて。

それなりに新しいお客さんと取り引きを開始したのに、昇給額が3,000円と言われたんです。一年間働いて、成果も出したのに3,000円ですよ。もっと昇給してもおかしくないと思ったので上司に聞いてみたら、「他の人をそんなに上げていないから」という驚きの返答でした。

ああ、これはダメだなと。評価や昇給の基準というものが存在していなくて、だったらシートを書かせないでくれって思いますよね。入力する手間が無駄だと、他の社員も同じような不満を抱えていました。

評価制度が機能していないわけですから、ボーナスの査定だっていいかげんで。社長の気分で金額が決まるので、上手におべっか使う人が多かったり、周りの社員みんなが能力が高いと認める人でも0円だったりと、とても納得できるものではなかったんです。

ー飲み会についても、嫌な思い出が?

好きな人、気が合う人と飲むのは良いんですよ。でも会社によっては、任意参加という名目の強制飲み会があるじゃないですか。

僕の場合は最初の会社での体験が大きいんですが、社長とほぼ二人みたいな組織で。特に理由がなくても飲みに誘われていました。「どうせ暇だろう」って言われて、毎週どころか週に複数回の誘いもあったんです。しかも、しかもですよ。新卒で給料が少ないのに、3回に1回は割り勘だった。

ー社長なんだから、奢ってくれよと。

奢ってもらえないのが不満なわけではなくて、やっぱり社長とか上の人に誘われたら断りにくい部分がありますよね。自分に予定がなかったとしても、行きたくないことだってあるし、そもそも飲み会が苦手な人もいます。気兼ねなく断れる環境をつくっておくか、断ったことで気まずく感じる人がいるなら、そもそも誘わないほうがお互いのためになると思います。

ー転職を含めて数社での会社員人生は、不満に思うことばかりだった?

嫌なことはたくさんありました。でも同時に、営業のやり方を学べる先輩がいたり、Webディレクションの基礎を身に付けられたり、独立した今でも取り引きしてくれるお客さんとの出会いがあったりと、全部がぜんぶ嫌な思い出というわけではありません。社会人として生きていくための、必要な経験をさせてもらった部分もありました。

どうせ働くなら、嫌な部分がなくて、必要な部分ばかりの会社が良くないですか? 雇われている側にしたら、自分の時間を会社に捧げているみたいなところは少なからずありますよね。だったら嫌なことがなくて、本人が望む働き方だったり仕事内容や報酬を得られる会社にいるほうが幸せなはず。

ーそういう幸せな会社をつくりたい、というのが起業のきっかけになっているんですね。話を聞いていると、幸せの定義を砂田さんがするわけじゃなくて、まずは嫌なことを排除しようと。その上で、一人ひとりが望む会社員生活を選択できることが幸せにつながる、と考えているように感じました。